産業医の専門は何ですか?

以下は、昨年冬頃、社員向けにメール配信した文書です。
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 「先生の専門は何ですか?」 という質問を時々受けることがあります。そんな時、いつも答えに悩みます。結論を一言で言えば、「私の専門は産業医です」という事になります。これでも答えなのですが、聞いた人には意味がありません。
 多くの人は、「元々、内科の医師、精神科の医師、整形外科の医師などが、機会があって産業医をやっている」 と思っているようです。そして、ほとんどの場合は、その認識で間違いがありません。しかし、産業医にもその専門性があり、最初からその分野を主体としてやっている人もいます。

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Dr.グリップ

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以前、公衆衛生学の仕事の一つとしてレカロシートを紹介しました。今回は、第2段、頸肩腕障害の話です。産業保健という分野では職業生活における健康を確保するのが目的ですが、一日中、筆記作業をする人には、首から肩にかけて負担がたまり、更には指先のしびれや上肢の痛みを生じる場合があります。これを頸肩腕障害と呼んでいます。

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レカロシート

以下は、社員向けにメール配信した文書を若干改変したものです。発信時期は3月ですが、周りで「レカロ」の話題が出ていたので、思い出してみました。
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レカロシートという車のシートをご存知でしょうか? マニアの若者には比較的有名で、主としてスポーツカータイプにオプションとして取り付けるシートと思われています。中には、息子が車に夢中で、こんなシートをつけた車を苦々しく眺めているお父さんもいるのではないでしょうか?
ところが、この「レカロシート」、もともとの開発コンセプトは全く違うところにあります。その正体は、『腰痛予防シート』なのです。

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青空

以下は、昨年10月に社員向けにメール配信した文書です。季節がずれますが、ちょっと思うところがあって掲載します。
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早いもので、朝晩は肌寒い季節となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

さて、メンタルの調子の悪い人に治療が必要なことはもちろんですが、健康な我々でも何かの拍子に「元気が出ない」、「今日は今一、仕事のノリが悪い」などという事があります。解決できない問題などを抱えていると気分の滅入る事もあるかと思います。

そんな時、自然には心を癒す働きがあると思います。自分、そして人間が、一つではあり得ない事を実感できます。私のお奨めは青空を眺めることです。自分を振り返ってみても、本当に参っている時は、空を見上げる余裕もない、というか、そういう行為を忘れてしまっています。でも、先日、ふと青空を見上げて、「ああ、こんな景色もあったな」と思いふけってしまいました。毎日、眼に入っている風景も、そうしてみると、また、新鮮な気持ちを吹き込んでくれます。どちらかというと、快晴よりも風に流れる雲があった方が良いように思います。

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小愛

以下は、社員向けにメール配信した文書を一部改変したものです。少し古さを感じますが、ご笑覧くださいませ。
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――相手を理解しようとする努力――

  オリンピックで湧きに湧いた8月、あの大騒ぎは一体なんだったのか? というほど9月はすっかり話題に上らなくなりましたが、その中で、今回は一人の選手の事を紹介したいと思います。
  それは、卓球の福原愛選手。ご存知のように、卓球は中国選手が非常に強く、中国で関心の高いスポーツですが、その中で福原選手は非常に人気が高いのだそうです。中国では「小愛」と呼ばれ、新聞で度々報道され、インターネット掲示板でも、「日本人は好きではないけど、小愛は別だ。中国人選手と対戦したら中国を応援するが、それまでは勝ち上がって欲しい」などという意見が多数寄せられたそうです。

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世代間の隔たり

以下は、社員向けにメール配信した文書を一部改変したものです。
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 近年、ストレス社会と言われるようになって久しいですが、私はストレス増加の一因に年長者との交流が減ってきている事も関係があると思っています。

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健康食品

以下は、社員向けにメール配信した文書を一部改変したものです。
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 最近、テレビ番組などでも健康番組が定番化しており、「テレビでやっとったんだけど、血圧が下がるっていうお茶は効きますかねぇ?」とか、「健康食品について効果があるか?」という問い合わせが時々あります。どちらかというと、女性に健康への関心が高い人が多いようで、奥様から勧められている人もいるのではないでしょうか。

 ところが、実際に興味をもって、医者に質問してみると、「う~ん」とか「なんとも言えんねー」とか生返事をされて、「聞くんじゃなかった」と不満に思ったり、「勉強不足なんじゃない?」と思った人もいるのではないでしょうか。その背景には、人間の体の個人差があまりに大きい事、影響を受ける要因の数が多いこと、などが挙げられます。

 例えば、何かの病気に対して、同じように薬を出しても効く人と効かない人がいます。薬は、特定の効能が認められたものに対して厚生労働省が認可しています。ちゃんと試験のされた医薬品でさえ、その効果に関する研究論文を調べてみると、報告によって結果がいろいろ異なる事がわかります。医薬品に限らず、電磁波などの健康影響でも同じです。それだけ、人それぞれ、生活のベースも違えば、生まれつき持った体質も違うため、特定の物質そのものの効果を判定する事は困難なのです。医学分野の研究は、調べたい事項以外の要因をいかに揃えて研究するかにかかっているのです。医師は、その人間の不安定要素を学んできているため、しっかりした研究をしていない健康食品に対して、勉強しようにも、自信をもってすすめられるデータは発表されていないのが現状です。

 一方で、健康食品と称されている食品は、自然界に存在する食品の特定成分に関する効能をモットもらしく宣伝していますが、他の食品から摂取することもできるし、体の中でも合成することができるものも多いのです。したがって、通常、欠乏することはなく、特定の効果はあまり期待できません。しかし、「病は気から」という人間の思い込みによって,体に特定の症状が発現する場合など,健康食品を食べれば病気が治ると信じている人が(良くも悪くも何の効果も出ない)食品を食べることによって,自己治癒力が高まって快方に向かうという機能が体内にあるのです。例えば病気にかかったとき,「長引きそうだ」とウジウジしていたら,治るものも治らない。逆に楽天的になっていれば治りも早くなるというものです。「プラスな思い込み」が病気を治すのです。

 したがって、健康食品は、特定の効果を期待するより、補助的なものとして上手につきあう方がよいと思います。中には、利害関係にからんで不正があった事件もあるので、医薬品不信感をもつ人もいますが、健康食品に走るのは、それ以上に曖昧で不明瞭なものです。医薬品の代用として用いるのでは、「人ごみを避けて、暗い裏路地を歩くようなもの」です。


以下に、私が思うポイントを記しておきますので、チラシなどを読む参考にしてみてください。
【すすめられない健康食品】
×1.異常に高価なもの:原料費に比して、高価であれば、だまして利益をあげようと考えていると思われる。
×2.使用者の体験談を評価基準にしているもの:特にダイエットに関するものは、その食品を摂取した以外に努力している。広告に出ていない、数多くの失敗例を予測せよ!
×3.特定の効能を記載しているもの:「便秘にいい○○」などの記載は薬事法違反です。記載がある業者は、その理解すらない悪徳業者と考えられる。その次は、違反にならないように、使用者の体験談として記載します。「食品と摂り始めた時期と一致して便秘が減った」、というだけで、その食品が効いたとは決して書いていないと思います。その効果が、あなたにも期待できるとは思わないほうがよいでしょう。
×4.錠剤・カプセル剤:錠剤やカプセル剤の形をしたものは医薬品と誤認されないように必ず「食品」である旨を明示する義務があります。「健康食品」の文字が小さい業者は、あまり良くないと思います。
×5.まぎらわしい表記:「内服」、「毎食後」など医薬品とまぎらわしい表記も薬事法違反です。
×6.TVでの紹介例:健康食品に限りませんが、出演者は悪い結果を出したくない思いが働きます。出演者が健康法を実行しているとわかるような実験をしている場合は、話半分に聞いておきましょう。
△7.医師の推薦文:医師も人間。自分が試して効いたと思ったら、信じてしまいます。でも、ちょっと立ち止まって、それが、万人に効き目がある検証がなされているか説明文を再チェックしてみましょう。

【すすめられる健康食品】
○1.価格の妥当なもの:通常の食材と比較して、1.5倍までぐらいが妥当ではないでしょうか。価格が高くなると期待も高くなり、効果が無かったときの不信感も高くなります。
○2.成分・材料について明記してあるもの:更に、新しく発見された成分などでなく、昔から聞き慣れたものがよいでしょう。
○3.特定の効能ではなく、自然を売り物にしたもの:天然塩、無農薬野菜……いわゆる自然食品も立派な健康食品。ウソの表記は論外ですが、自然を売り物にしたものは、問題ないと思われます。
○4.特定保健用食品:H13年4月からスタートした制度です。厚生労働省が、特定の保健の用途について効能表示を認可するようになりました。必ず、「特定保健用食品」という言葉と許可されている内容として、「許可表示内容」が表示されています。なんでもかんでも摂取すれば良いというものではありませんので、自分の症状と「許可表示内容」と照らし合わして、買うようにしましょう。こちらも、衝動買いせずに、世間の相場より高額なものは避けたほうがよいでしょう。また、医薬品ではありませんので、過度の期待は禁物です。

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メールの危険性

以下は、社員向けにメール配信した文書を一部改変したものです。
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 電子メールという道具が世の中に出たのは、20年ほど前の事でしょうか。文字で意見を伝えるという、一見手紙と変わらないように思えるこの道具に、会話の下手なパソコンオタク達は夢中になりました。それからの10年ほどは、電話回線を通じたパソコン通信の世界で、限られたマニアの道具として使われました。この頃のネットワークはしばしば口論を引き起こし、紛争を巻き起こしました。このトラブルは、文字のみによるコミュニケーションの難しさを大きく露呈したものだったのです。それは、決して誰が悪いわけでもなく、単なる解釈のすれ違いでした。

 メールでのコミュニケーションは、会話で表現するのが下手な者にとって、大変便利なものです。また、簡単な用事は、相手がいなくても済ませてしまえる大きな利点があります。多くの連絡文書をかかえた、現代サラリーマンの必須ツールと言っても過言ではありません。しかし、意思疎通に齟齬をきたす可能性を十分認識の上、上手に利用してください。

 メールではないですが、以下のような場面を想像してみて下さい。結婚生活も何年か経ち、気心の知れた夫婦です。(独身の方、ごめんなさい)

 妻:「ねえ、この服似合うかしら?」
 夫は、特に似合うとも似合わないとも思っていません。妻の満足する答えが出来ればいいと思っています。
 夫:「ああ、よく似合うよ。」
⇒[ケース1]  妻:「あら! うれしいわ!」
⇒[ケース2]  妻:「適当なこと言わないでよ! ちゃんと見てるの?」

 同じ言葉に同じ言葉で答えても、違う反応が返ってきます。[ケース1]は、自分もこの服を気に入り、夫にも賛同して欲しい場合。[ケース2]は、無理矢理すすめられて買ったけれど、後悔している場合。などです。
「そんなの、様子を見てればわかるよ」、まさにその通りなのです。しかし、メールでは、すっぽりそこが抜け落ちてしまうのです。仕事では、相手の喜ぶ回答ばかりするとは限りません。しかし、不満に思っていることを知らず、喜んでいると勘違いしていては問題があります。

 時には、顔をあわせて話してみましょう。 「了解しました」 そのメールだけで、相手が満足していると思っていませんか?

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~ストレス解消法(その3)~

ココログの練習をしつつ、「トラックバック」の利用方法がわからなくて悩んでいるうちに、更新をすっかり忘れてしまいました。意外にもコメントがあったので、少しずつ、充実させたいと思います。

以下は、メール配信の第3号。
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 社員の皆様とお話をすると,ストレスにも様々なものがあるとわかります。いま抱えている仕事の問題,特定のあの人とウマが合わない,自分の能力・適性に関する悩みなど,個人ごとに状況も違えば,ある人にとってのストレスが別の人にとっての生きがいである場合もあります。多くの場合に共通するのは,自分の無力感や閉塞感,やってもきりがないとか,成果がでないという思いがあるように感じます。
(1)●●●●(注:会社名)の「よさ」をみつけよう
 ●●●●の社員は,グループ内で仕事をする場合が多いようです。会社のこんな所が良くない,という自分の思いをお話される方もいます。一方で,私のように外部から入ってくると,良い部分もたくさん感じます。何年も会社の中で過ごしていると,良い部分は当たり前になってきて,悪い部分ばかり考えるようになってしまいます。
 会社の良いところを発見するために,ぜひ,社外の友人を大切にして下さい。そして,できるならば,聞き役になって,よその会社の様子を聞いてみてください。「あぁ,●●●●でよかった」 そう思えばストレスも軽くなるんじゃないでしょうか。
(2)自分に出来る事をみつけよう
 仕事でストレスを感じる部分があるならば,自分で変えることのできる事を考えてみましょう。立場・地位によって,変えられるところは限られているかもしれません。しかし,人それぞれ能力も経験も違いがあります。あなたにしか出来ない事がきっとあるはずです。
 例え,何も変えられなかったとしても,「変えようとした」その事は,自分の経験として必ず生きてきます。そして,あなたの行動を見てくれている人が必ずいます。●●●●に来て感じたのは,「親切で優しい人がたくさんいる」という事です。正しい行動であれば,きっと支援してくれる人が出てくるはずです。
 そして……。最終的に,変わるのは自分です。

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~ストレス解消法(その2)~

以下は、メール配信の第2号。
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 ストレスを解消するために音楽を聴くというのは、有効な手段のひとつです。一般的に、「心を落ち着かせる音楽」、「癒しのミュージック」などということで、ゆったりとした音楽がよいと思いがちですが、時と場合、そして個人の趣向によって異なってくると思います。 自分の場合を例にとって、考えてみたいと思います。

(1)とにかくイライラしている時 こんな時に、ゆったりとした音楽を聞くと、音楽は右から左に抜けていって、自分が何を聞いたのかもさっぱり覚えていません。こういう時は、反対に激しくてテンポの速い音楽の方があっています。昂ぶった自分の心に同調して、しっくりと耳に入るため、だんだんと音楽に心を奪われ、さっぱりとした気分になれます。普段はロックなどは聴かないのですが、たまに聴くのはこんなときです。(ですから、産業医はロックを聴くんだ!と思ってロックの話題をふらないでくださいね。ほとんど知りません……)

(2)とにかく落ち込んでいる時 ミスやちょんぼをすると、誰でもへこみます。その程度にもよりますが、がっくり落ち込む時もあるでしょう。そんな時は、自分の好きな曲や明るい曲を聴きます。私の場合は、「明日があるさ」、しかも、コマーシャルでやっていたやつ。また、がんばろうという気持ちがわいてきます。

(3)とにかく疲れている時 冒頭の「癒しのミュージック」などが活躍するのは、こんな時です。CDなどで川の流れのような音を収録したものも出ていますが、これも有効です。私は、ポールモーリアを聴くことが多いです。

(4)悩みや大きな問題を抱えている時 これは、基本的には問題が解決しないと、どうにもなりません。音楽は、気分転換にとどめますが、(1)~(3)のどの状態かにあわせます。 もちろん、音楽も趣味があるので、「聴かない」という選択肢もありですが、「音楽なんてここ何年も聴いたことはないよ」という人は、試してみる価値があると思います。(曲名については、産業医の個人的趣味ですので、自分にあったものを選んでくださいね!)

前号に引き続き、「私のストレス解消法」や「こんな時に聴く音楽」を募集します。良いものをご存知の方は教えてくださいね。

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