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産業医の職場巡視

【質問】

産業医は1回/月、職場巡視をしなければならないと聞いたが、事務職場等で、特に必要性を感じない事業所もあるが、罰則はあるのか?

【回答】
労働安全衛生規則には、以下の定めがあります。産業医の義務となりますが、この規則の元となる条文は、労働安全衛生法第13条となり、罰則は第13条の1、すなわち産業医の選任義務違反として事業者に科せられる事になります。おそらく、未選任の場合を強く想定したものだと思います。

労働安全衛生規則 第15条 (産業医の定期巡視及び権限の付与)
産業医は、少なくとも毎月一回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
事業者は、産業医に対し、前条第一項に規定する事項をなし得る権限を与えなければならない。
労働安全衛生法 第13条(産業医等)
  事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
労働安全衛生法 第120条 (罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
  一 (前略)、第十三条第一項、(中略)の規定に違反した者


【解説】
  前述の通り、書き方として、事業者の責務、産業医の責務と、ばらつきがありますが、産業医が職場巡視をしなかった場合、直接、産業医に罰則を適用することは困難と思います。産業医が職場巡視しなければならない事項に対して、事業者がその実施を妨げた場合、罰則の適用となる可能性はあると思います。
  一方で、事業者が依頼をしたにも関わらず、産業医が不要だとして巡視をしなかった場合、法的な罰則は無くとも、何かの折りには監督署から、「職場巡視をさせなさい」という指導が入る場合はあると思います。その際は、法的な罰則は無くとも、民事上の契約不履行の問題等が生じる可能性はあります。特に、契約書に、「乙は安衛則第14条一項および第15条の事項を実施する。」などの文言がある場合は、言い逃れできません。

  私自身、職場巡視に関しては、事務職場等、衛生状態に問題が無い職場に関しては、毎月は不要な場合もあると考えていますが、法的には省略規定などは存在しません。いずれにしても、きちんと産業医活動をするためには事業場訪問は不可欠と思いますので、さっと通り過ぎて、職場の雰囲気・活気を感じ取るだけでも意味があると考えてはいかがでしょう?

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