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過重労働(安衛法第66条の8・第66条の9)

平成18年4月1日より施行された改正安全衛生法では、所謂、「過重労働対策」としての面接指導が規定されている。以下、僕なりに、わかりやすく(?笑)まとめてみる。

過重労働対策の法令 まとめ
 (事業者の責務)
事業者は、労働時間等が過重な労働者に対し、医師による面接指導を行わなければならない。
対象者一.時間外労働が100時間/月を超え、
  かつ、疲労の蓄積が認められる労働者
二.面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く
  以下、第66条の9関連
三.長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、
  又は健康上の不安を有している労働者
四.事業場において定められた基準に該当する労働者
  この事業場において定める基準として推奨するラインをガイドラインとして示している。
申出あり申出なし事業者の義務
100時間超/月---------義務(。上記一)
80時間超/月80時間超/
2~6ヶ月の平均
努力義務
45時間超/月
健康への配慮が必要と認める者
推奨
時間
算定
毎月一回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。
実施
方法
要件に該当する労働者の申出により行う。
産業医は、要件に該当する労働者に対して、申出を行うよう勧奨することができる。
確認
事項
医師は次の事項について確認を行う。
  一.勤務の状況
  二.疲労の蓄積の状況
  三.その他の心身の状況
 (労働者の責務)
労働者は、面接指導を受けなければならない。ただし、他所で面接指導を受け、結果証明書を事業者に提出したときはこの限りでない。
他所で面接指導を受けた場合の結果証明書には次の事項を記載したものでなければならない。
  一.実施年月日
  二.当該労働者の氏名
  三.面接指導を行つた医師の氏名
  四.当該労働者の疲労の蓄積の状況
  五.その他、当該労働者の心身の状況
 (結果の保存)
事業者は面接指導の結果を記録しておかなければならない。
  結果記録は5年間保存しなければならない。
 (医師の意見)
事業者は、面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聴かなければならない。
 (事後措置)
事業者は、医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、その他の適切な措置を講じなければならない。


次に、法の原文を記す。

労働安全衛生法 第六十六条の八 (面接指導等)
事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならない。ただし、事業者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師の行う同項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
労働安全衛生法 第六十六条の九
  事業者は、前条第一項の規定により面接指導を行う労働者以外の労働者であつて健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない。

労働安全衛生法施行規則 第五十二条の二~第五十二条の八 (面接指導等)
第五十二条の二 (面接指導の対象となる労働者の要件等)
法第六十六条の八第一項の厚生労働省令で定める要件は、休憩時間を除き一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり百時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者であることとする。ただし、次項の期日前一月以内に面接指導を受けた労働者その他これに類する労働者であつて面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものを除く。
前項の超えた時間の算定は、毎月一回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。
第五十二条の三 (面接指導の実施方法等)
面接指導は、前条第一項の要件に該当する労働者の申出により行うものとする。
前項の申出は、前条第二項の期日後、遅滞なく、行うものとする。
事業者は、労働者から第一項の申出があつたときは、遅滞なく、面接指導を行わなければならない。
産業医は、前条第一項の要件に該当する労働者に対して、第一項の申出を行うよう勧奨することができる。
第五十二条の四 (面接指導における確認事項)
医師は、面接指導を行うに当たつては、前条第一項の申出を行つた労働者に対し、次に掲げる事項について確認を行うものとする。
当該労働者の勤務の状況
当該労働者の疲労の蓄積の状況
前号に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
第五十二条の五 (労働者の希望する医師による面接指導の証明)
法第六十六条の八第二項ただし書の書面は、当該労働者の受けた面接指導について、次に掲げる事項を記載したものでなければならない。
実施年月日
当該労働者の氏名
面接指導を行つた医師の氏名
当該労働者の疲労の蓄積の状況
前号に掲げるもののほか、当該労働者の心身の状況
第五十二条の六 (面接指導結果の記録の作成)
事業者は、面接指導(法第六十六条の八第二項ただし書の場合において当該労働者が受けた面接指導を含む。次条において同じ。)の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならない。
前項の記録は、前条各号に掲げる事項及び法第六十六条の八第四項の規定による医師の意見を記載したものでなければならない。
第五十二条の七 (面接指導の結果についての医師からの意見聴取)
面接指導の結果に基づく法第六十六条の八第四項の規定による医師からの意見聴取は、面接指導が行われた後(法第六十六条の八第二項ただし書の場合にあつては、当該労働者が面接指導の結果を証明する書面を事業者に提出した後)、遅滞なく行わなければならない。
第五十二条の八 (法第六十六条の九に規定する必要な措置の実施)
法第六十六条の九の必要な措置は、面接指導の実施又は面接指導に準ずる措置とする。
法第六十六条の九の必要な措置は、次に掲げる者に対して行うものとする。
長時間の労働により、疲労の蓄積が認められ、又は健康上の不安を有している労働者
前号に掲げるもののほか、事業場において定められた法第六十六条の九の必要な措置の実施に関する基準に該当する労働者
前項第一号に掲げる労働者に対して行う法第六十六条の九の必要な措置は、当該労働者の申出により行うものとする。

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コメント

過重労働対策、頭が痛いです。
企業の健康管理室に勤める、産業看護師ですが
過重労働の面談だけで、かなりの時間を費やさなくてはならない現状です。
人員削減の皺寄せだよなぁ、と思いますが、最近は産業医の負担が増すばかりで、なんだかなぁです。
わかりやすくまとめていただき、自分の解釈が間違ったものではないことを確認できました。
こういうブログは助かります。

投稿: kayoko | 2006/09/27 16:16

コメントありがとうございました。

自分の覚え書きにでもなればいいか、という程度のつもりで作ったページですが、少しでも役に立てればうれしいです。

僕も頭が痛いです。面談しても、解決につながる事は少ないです。基準も良くできた物で、80時間程度でも毎月継続すると、大半の人は疲労の色が強く疑えます。だからと言って、すぐ倒れる事が予想できるか、というと疑わしいですし。

(片っ端から残業規制をかけると、あの産業医は要らない、と言われるかも? 笑)

投稿: 優柔不断 | 2006/09/29 14:54

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