« 社内における休養室は? | トップページ | レカロシート »

乾燥と肺炎との因果関係は?

【質問】

先に開催された当社安全衛生委員会にて持ち上がった疑問なのですが、
  1.XXXXビル4Fは,冬場は常態的に低湿度(25~30%)
  2.年の冬場に,XXXXビル勤務者が立て続けに2名肺炎を患った
  3.低湿度と肺炎の間に直接的な因果関係はあるのか?

以上について専門家のご意見を伺いたいのです。インターネットにて調べたら、『直接的な因果関係』については言及されておりませんでした。
インフルエンザ同様、低湿度の場合はウイルス(細菌)の活動が活発化し人の抵抗力を上回り、結果的に罹患するというケースは考えられるのですが、それ以外で、直接的な因果関係はあるのでしょうか?

【回答】
細菌の活動の活性化以外の大きな『因果関係』として、気道粘膜の防御力低下が挙げられます。
粘膜は乾燥により防御機能が落ちますが、概ね、湿度30%以下で防御力の低下が著しいとされています。
従って、質問文にある25~30%であれば、湿度コントロールもある程度の効果が考えられます。

以下は、秋田県医師会のHPのインフルエンザに関する説明ですが、細菌感染である肺炎にもあてはまる事柄です。

秋田県医師会

 一方、私たちの鼻やのど、気管など、気道粘膜の表面には、線毛という細かいブラシ状の組織がすき間なく覆っていて、細菌や痰を体の外に送りだす作用をして体を守っています。でも寒い空気が入ってくると粘膜の血管が反射的に縮んで粘膜の温度が低下しますし、乾燥のため分泌物が濃くなり線毛の働きが悪くなります。そこにインフルエンザウイルスが感染すると増殖して、次々と粘膜の細胞を破壊していきます。このような傷んだ細胞では、細菌や痰を体外へ押し出す力がなくなってしまいます。これに続いて細菌の感染がおこり、気管支炎や肺炎が起こってしまうのです。また、冬は暖房のため部屋を閉め切っていて、換気が悪いのもウイルスの感染には都合が良いのです。

もちろん、これのみで肺炎が発生するわけではなく、
・口をあけて呼吸する人は、気道の乾燥が著しい
 →口を閉じるよう教育する。マスクを着用する。
・疲労の蓄積している人は、免疫力が低下する場合がある
 →過重労働を避ける。夜遊びを避ける。食事を規則正しくする。睡眠を確保する。
・換気が悪いと、室内細菌が蓄積する
 →適宜換気する。特にエアコンフィルターは、細菌が繁殖する場合があるので、清掃・交換時期を冷房終了の頃に設ける。
などの対策も有効と考えられます。


【解説】
 質問者は、ウィルスの活性化についてはわかった。それ以外の点で因果関係があるか? と聞いているのでウィルスの活性化以外について、的をしぼって回答をしました。
 まず、最初の3行で要点をまとめています。1行目でズバリ。2行目でおおまかな湿度の目安。3行目でそれではどうするか?
 それから、根拠らしいものを挙げておく。ここは、読まなかったら読まなくても良い。どこまでがそういう範囲なのかわかりやすいように四角で囲ってあります。
 最後におまけとして付け加えた事項には思惑があります。冬場の乾燥に対する訴えは多いのですが、すぐさま、重病になるという意識が低いため、放置されやすいのです。ただ、加湿器を用意せよという要求は、簡単にできるように思われるかもしれませんが、1つの部屋だけに設置すると不公平の問題があるので、全部屋に設置しようという場合は、こちらの想像以上に費用がかかるものです。

 「それは、予算がかかりすぎてダメだよ。」と一蹴されてしまったら、もうこの問題に対する進展がありません。

 そこで、費用のかからない対策から段階を持って提示しておきます。第一段階が納得のいくものであれば、意識の中に改善提案が残り、いつか予算のあるときに考えてくれるかもしれません。

※誤った回答だと思われる場合は、コメント下さい。

|

« 社内における休養室は? | トップページ | レカロシート »

Q&A」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59807/10722653

この記事へのトラックバック一覧です: 乾燥と肺炎との因果関係は?:

« 社内における休養室は? | トップページ | レカロシート »